山下清展
更新日:2025年5月28日
人には生活圏と言いますか「界隈」ってあるじゃないですか
仕事にせよ遊びにせよ、自分の活動範囲って大体定まっていると思うのですが、僕の生活圏の中に「新宿」という街が入っておらず、新宿に行くことってホント無いんですね
でも先日パスポートの更新で新宿に行ってみた日のこと
更新も終えたのですぐ隣の公園にいくと

芸能山城組が4年振りにケチャ祭りを開催しているとのこと!

コロナで中止になるまで1976年からずっとここでやってた夏の恒例行事なんですって
僕らのようなAKIRA世代のおっさんは山城組と聞くとピクっとしてしまうのですが、冒頭からAKIRAの曲を沢山聴けて密かにテンションが上がっていました
ジェゴクを演奏する竹製のガムランも触らせてもらえて結構賑やか

新宿もなかなか楽しいなと思いながら歩いているとSONPO美術館発見

新宿に来ない僕はSONPO美術館にも来たことがなかったもんで「あ、こんなとこにあったんだ」なんて思いながら今やっている企画展をフと見ると
山下清!?

恐らく今時の人は山下清と聞いても「誰?」って感じなんだと思うんですが「裸の大将」を見ていたおっさん世代はどうしてもピクッとせざるを得ません
「ぼ、ぼくは、おむすびが、す、すきなんだな」の山下清です!
もうこの段階で既に「野に咲っく〜 花のよ〜おに〜」とOPが自動演奏されるのですが、なんと全180点で清の人生を振り返る「生誕100周年記念 山下清展」が開催されていました!
山下清というのは貼り絵で有名な画家でして「日本のゴッホ」なんて言われていました
3歳の時に風邪をこじらせて大病を患い九死に一生を得るのですが、その後遺症で軽い知的障害と言語障害が残ってしまったんですね
学校でいじめられ、義父からのDVなど、散々な人生ののち千葉県の「八幡学園」という養護施設に入れられるんですが、そこで先生に教えてもらった「ちぎり絵」にハマり清が覚醒します
というのも幸か不幸か、清は知的障害を煩った時から究極の集中力を得たギフテッドだったのです
清はすぐ学園から脱走して放浪の旅に出るのですが、その時代を描いたドラマが「裸の大将」でして
もちろんドラマ用に色々脚色されてはいるんですけど、ここから放浪画家山下清の人生が始まります
最初は昆虫などを貼り絵で作っていたのですが、次第に風景など作品が大きくなってきて
梅原龍三郎ら巨匠もすぐ「あ、こいつやばい」と気づいたらしく、一気に人気画家になって行くのが前半
ちなみにドラマの「裸の大将」では毎回訪れた先で作品を作っていましたが、実際はそうではなく
半年おきに学園に帰ってきては見てきた風景を書くというのが基本でして画材は持って出てなかったそう
それを可能にさせたのはサヴァン症候群、要はレインマンですよね
清は典型的なカメラアイ、つまり瞬間記憶能力を持っていまして見た景色を後から正確に再現できたのです
古い切手をちぎって貼った「ともだち」

大作「長岡の花火」

オモチャの「ソニコンロケット」

前半の作品も超絶いいのですが、僕個人的にはヨーロッパ旅行に行ってからの清が真の覚醒だと思っていて、前半はどうしても「のどかな日本の原風景」という枠を出ないのですが、ヨーロッパ旅行ではじめて知らない景色、知らない文化に触れ、地球の大きさというか着眼点が少し変わった気がするんですよね
紙の細かさも尋常じゃなくなってきて(パリ)

貼り絵とは思えなくなってくるんですよね(ロンドン)

戦後の日本からすると楽園に見えたんかもしれない(スイス)

清の創作意欲は多岐にわたり、油彩、水彩、ペン字絵、焼き物、版画とあらゆる作品を作り続けたんですが
それら全てがザッツ山下清というか、いやあもうホント全て素晴らしかった
ゴッホに影響を結構受けているので「日本のゴッホ」なんて言われていましたが、覚醒の仕方も切り絵と貼り絵もその純粋さも「もはやマティスじゃん」と僕なんかは思ってしまいます
山下清の何がいいって、そのピュアネスというかマティス同様「闇」が無いんですよね
純粋に「喜び」とか「楽しさ」みたいなのが根底にあって、一切愚痴ってないんですよ
なので単なるアウトサイダーアートではなく、力強さと美しさを感じずにはいられません
小さい頃から知っていたのに初めてちゃんと見た山下清
日本人だからなのか、裸の大将を見てたからなのか、マティスを見たばかりだったからなのか定かでは無いですが、近年見た個展の中で一番衝撃を受けたほど良かったです
9月の10日までなので 山下清展 興味ある人はぜひぜひ行ってみてください
当然ですが実際目の前で見てみないとこの立体感や狂気は1mmも伝わらないのでね
なんかね、久々に「グッとくる物」を感じますよ
ちなみにこのSONPO美術館もなかなか侮れなくて、収蔵品もいくつか展示されているのですが
以前も書いた”素朴系おばあちゃん”のグランマモーゼスもありました

東郷青児のこの違和感

目の前で見てもこのツルッと感が信じられないw

そしてSONPO美術館といえばやはりこれ

ゴッホの「ひまわり」も常設です
コロナ前だったかナショナルギャラリー展でも「ひまわり」が来てましたが同じ構図の連作ですね
確か「ひまわり」は6作残ってるんでしたっけ
アジア圏で見れるのはSONPO美術館だけなんですって
いやあ新宿もなかなか熱いね!(実際暑かったけど)
普段行かない場所だけあってすごく新鮮な空気を感じれたすごい1日だったなあ





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