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生成AI

  • 執筆者の写真: gen kushizaki
    gen kushizaki
  • 8 分前
  • 読了時間: 8分

ChatGPTをはじめ、ある程度日常にも溶け込み始めた感のある生成AI

どうなんですかね、みなさんはもう結構使っているんですかね

音楽の世界にも生成AIはもちろんあるんですけど、僕は特に使うこともなく過ごしてきました


というのも、出始めた当初にチラッと触ったことはあったんですけど、その頃はまだまだギャグみたいなもんでして「音楽を作る」というレベルにはほど遠く「ダメだこりゃw」という印象が強かったからです


とはいえテクノロジーの世界は凄まじい勢いで進化するものでして、今年出たSunoのバージョン5はすごいとの声を聞き、今ではどんな感じなのかなと改めて使用してみたので、その雑感をまとめておこうと思います


音楽生成アプリ自体はいくつかありまして、僕は「Suno」に入ったんですけど、中国系の「Mureka」をはじめ、各社善し悪しや特徴があるので、使用する際は自分に合った物を選びましょう

制限やルールなどはあれど、各社無料で試せるので使用感や生成のクオリティなどで選べばいいと思います


さて、早速生成音楽ツールを使ってみるのですが、予備知識が全く無い人もいるかと思うので、サラッと簡単に言うと、音楽生成には「Lyrics(いわゆる歌詞)」と「Styles(ジャンル)」という2つで構成されています


単純に歌詞と言ってもここで決めた構成が楽曲に大きく関与するのでとても重要です

もちろん全部自分で書いても良いですし、イメージやキーワードだけ入れて後は自動で作ってもらう事もできまして、その場合AパターンとBパターン2つを提示してくれるので、気に入った構成の方を選びます


ここでの注意点は、邦楽の場合AメロBメロサビなどが一般的ですけど、Sunoはアメリカのアプリなので、構成の解釈というか呼び方が違うため、洋楽的な呼び方を認識しておかなければいけません


日本的に言うとAメロはVerse、BメロはPreChorus、サビはChorusって感じなんですが、Dメロも「Bridge」と書くか「PostChorus」と書くかで大分変わりますし、よくある「Hook」と書いても結構変わるので、こればかりは実験しながらイメージに合うよう適切な指示をしないといけません


間奏も単に「Interlude」って書くのと、「Melodic Interlude」と書くのは全然違いますし、そもそもその歌詞を"どう歌わせたいか"もここで指示しなければいけません

「Shout」と書けば叫びますし、「Whisper」と書けば囁きます。歌詞の途中に「Yeah」と書けば雰囲気で入れてくれたりもしますw

要するにこの「Lyrics」というセクションは単純な歌詞カードではなく、その曲の"在り方"を決定する「指示書」という解釈になりますね


これらが決まればあとは「Styles」でジャンルをはじめ音楽にまつわる細かな指示を与えます

ジャズなのかロックなのかhiphopなのかという大きな枠組みはもとより、Jazz+Houseなど、組み合わせても良いですし、V5では膨大なジャンル名をカバーしているようなので、かなりマニアックなジャンル名を入れてもそこそこ認識してくれるみたいですね


ジャンル以外にも楽器であったりテンポやキーであったり、音楽的な指示を細かく指定するのですが、どれをどこまで反映してくれるかは実際試してみないとわからないんですけど、その認識や反映力が上がったと言っているんですから、そこそこ汲み取ってくれるんだと思います


前置きが長くなりましたが、では実際やってみましょう

歌詞はキーワードだけ入れてフル尺を自動生成しましたので適当です

スタイルですが、まずは4つ打ち系の方がわかりやすいかと思ったのでエレポップやハウス系を入れました


その記念すべき第1号がこれ


マドンナかよw

2000年代くらいに流行ってたリミックス系のサウンドに似ていますね

特にVerse2あたりの譜割りは当時のマドンナっぽいニュアンスを感じました

制作時間は5分くらいでしょうか。とりあえずこれが出てくるんですからやっぱすごいですね


4つ打ちでこれですからR&Bとかはどういう感じなんだろうと思ってスタイルだけ変えました

R&BとかHipHopとかSmoothJazzなど適当に入れて生成したのがこれ



いやアカンでしょこれw

コリーヌベイリーレイじゃないんだからw

5分でこれが出てくるっていうなら、本気でコリーヌっぽく作ったらえげつないんじゃないの

ていうかソレを音楽と言ってしまっていいのだろうかw


そこでフと思ったんですよ。打ち込み系の音楽は再現しやすいんですけど、バンドなどの生音系はまだまだ艶然と聞いたので、3ピースくらいのパンクロックならどうなるのかなと


やってみました


声出たわw

Punkrock以外にhiphopとかfunkとかも入れたからなのか、グリーンデイからビースティに変わったりする所もすごく面白いですねw良く出来すぎてて何回聞いても笑けて仕方ないですw


いや待てよ、と。じゃあパワーポップとかもできるんかなと思って試してみました

さすがに歌詞のキーワードもいくつか入れて、構成もちゃんと変えました

特にパワーポップだとハーモニーやコーラスが重要なので、重ねたり追いかけたりするように指示


1発目


おおーなるほど、そうきたか

パワーポップをどう解釈するかの問題なんですが、とはいえこれはこれでありというか確かにソレっぽいです

TwinGuitarやBackingPianoなど、スタイルはちょっと細かめに入れたんですが案外反映している気がします


セマンティクス系って感じですね


まあとはいえどうせやるならもっとジェリーフィッシュっぽくしたいのでやり直し

歌詞の構成ももう少し調整して、スタイルもいくつか変えて再トライ


でこれ


Melodiousにしたらジェリーフィッシュっていうよりウィーザーみたいになってしまったw

Dramaticというのを現在のAIでは「抜き差し」と解釈しがちなのですぐ落ちサビみたいにするんですよね

これは邦楽と洋楽の違いが如実に出ているのかもしれません。洋楽って基本1フレーズを回す傾向にあるので、ドラマチックに展開しようとするとどうしても「抜き差し」になりがちなんですよね


落ちサビ的な落としは「1曲に1回まで」みたいなプロンプトを書けたら随分変わるのかもしれませんが、それはもっと実験してみないとなんとも言えないですね


昨日の今日なのでまだ右も左もわかりませんが、とりあえず触ってみた雑感としては非常に面白かったです

一般の人の場合、このクオリティで仕上げてくれるんなら十分楽しいでしょうし、プロの場合は最初からこれで作ろうとは多分誰も思ってないので、ヒントにしたりアイデアだけで考えても恩恵はすごく大きいですしね


てか何がすごいって、この段階で著作権は僕にあるので「このまま売れる」ってのがやばいよね

僕なんもしてないんですけどw


いくつか作る中でサウンドの傾向に関して思ったのは、良く言えば懐かしい、悪く言えばちょっと古いと言える気がしました。ジャンルにもよると思うのでたまたまかもしれないんですが、歌物に関しては総じて2000年代の質感をすごく感じました

というのも00年代中頃って、僕は仕事で日々コンペ曲を死ぬほど聞いていた時代なので、その時代の質感をすごく覚えてるんですが、その当時に聞いていたコンペ用デモにソックリなんですよね


同じような曲を何百曲も聴くのって正直苦痛で、僕はそれ以来コンペというものを基本しなくなったんですけど、ジャンルを変えても大体20年前くらいの肌触りをとても感じました

世界的に見て一番音楽が飽和していた時代なので、AIが喰っている情報の土台がそこら辺に偏っているのもあながち外れていないのかもしれません。最新のトレンドにどこまで対応するかは今後の課題かもしれませんね


新旧の話しとは少し違うかもですが、昨今のK-POPをはじめとするダンスミュージックにもソックリでした

HouseからFutureFunkまで4つ打ち系を女性ボーカルで出すと、結構今のK-POPっぽいんですよ

フックとかキメひとつ取っても「ん?これってアレじゃね?」みたいなのがちょいちょいありました

そらそうですよね、似たようなのが膨大に必要なジャンルで今時1つ1つ作家が書いていたら追い付くわけがないので、これら生成AIでバンバン作って歌だけ差し替えてになってくるのは当然ですしね

そう考えると音楽生成は未来の話しじゃなく、もう既に僕らの日常になっているのかもしれません


それと現状では一般の人より音楽をしている者の方が1日の長というかアドバンテージが若干ありますね

LyricにせよStyleにせよ、ディテールがわかっている者の方がより具体的に指示できるから

SunoのHPでもSpotifyのように色んな人の曲が沢山アップされているんですが、質はそこそこ低いです

いかにも素人さんの遊びという枠を抜けていないのが多いんですけど、中には「こいつ絶対プロやろw」って人もいて、そういう人とそうじゃない人の差がすごいので、今後どうなっていくのか楽しみですね


もちろん日本語にも対応していますから日本語で歌わせることも全然できるのですが、やはりそこにはちょっとしたコツや訓練が必要みたいですね。漢字をうまく理解できないことも多いので、歌詞はカタカナで書いたりなど現状では色んな工夫がいるみたいでした


個人的に今後の希望をいうとV6では生成した曲のコードを変えられる様になったら尚良いのになと思いました

せめてメジャーをマイナーにできたり、コードはそのままでもテンションをかけられたらクオリティ自体は格段に上がりますよね。テクノロジー的には既にできている事なので、プログラムさえ上手く組み込めたら更に音楽的な生成になるのになと思いました


いずれにせよ触ってみた雑感としてはめちゃくちゃ楽しかったです

もっと細かいプロンプトを書けて、もっとイメージした物に近づけられるよう少し勉強してみようかな


興味がある方は暇つぶしにでもいかがですかね

しかしすごい時代になったもんですなw


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