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田中一村

  • 執筆者の写真: gen kushizaki
    gen kushizaki
  • 2024年12月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:5月28日

久々の上野公園

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つまり田中一村展!!

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9月から始まった一村展もいよいよ本日で終了です。相変わらず最終組の私は先月頭に滑り込んできたんですけどメチャクチャ混んでてビックリwやっぱ一村きてるなって感じがしました。


会場の雰囲気はこんな感じ


時代と画壇に決別し、奄美に魅せられ最後の最後まで孤独に描き続けた田中一村がついに都美館で個展を開催する。つまりようやくこれで日本美術史に田中一村の名が刻まれたという事実に胸が熱くなります。


神童誕生の「菊図」

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ちなみにこれ7歳ですw

この作品が絵画展で入賞したことにより彫刻家の父から「米村」の雅号をもらいました。


7歳で既に情緒があるってどういうことw

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12歳でこれ

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15歳

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18歳ではもうこれですわ

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ピカソやんw

それはそれは後世に名を残した大作家なんでしょうなあ〜とお思いのアナタ(指)

現に田中一村知りませんよね?


そうなんです。実は田中一村て早過ぎた名も無き孤高の画家なんです。

youtubeのMEET YOUR ARTチャンネルが、人物を掘り下げるため新たに立ち上げた「Stories」というシリーズがありまして、それの第一回目として田中一村を取り上げていました。


Stories 01 田中一村


一村の壮絶な人生をとても丁寧に紹介しており、僕がウダウダ言うよりもこれを見た方がよっぽど価値があるのでお暇な時にでもぜひStoriesをご覧ください。


もはやこれで十分なのですが、Storiesはあくまで作家の人生を振り返る番組であり、作品にはそこまで触れないので、僕が個人的に感じたことも補足程度に付け足しておきたいと思います。


一村と言えば「南画」というのが基本的なイメージかもしれませんが、僕は最後の鳥獣画家だと思いました。

日本画にとって鳥は昔からよく書かれている伝統的なモチーフでもあり、江戸時代には若冲や応挙や蘆雪などでも有名ですし、明治に入っても春草や栖鳳などもこぞって鳥を書いており、昭和にそれを引き継いだのが一村かと思うほど、初期から後期まで鳥を書き続けた作家でもありました。


ソッと単体で置く情緒としての鳥も良いですが

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会話が聞こえそうなほど楽しげな鳥も多く

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宗達でも北斎でも若冲でもない一村独特のリアルがあって僕は一村の鳥も大好きです

好きと言えば、あまり取り上げられないのですが僕は一村の風景画もすごく好きでして


中期から後期にかけて描かれた風景は

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単に美しさや切なさだけではなく

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解放された自由を感じる部分すらあります

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友人に宛てた絵はがきですら気持ち良いです

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単焦点と言いますか、カメラもやってた一村の絵って構図や画角が至ってカメラ的なんですよね

切り取り方や遠近の付け方が写真を見ているかのような感覚になるのも後期一村の特徴ですね


逆に一村のビビッドな色味もすごく良くて

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赤を印象的に使うのがほんとうまい

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もちろん奄美の最終シリーズはいわずもがな

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扉絵でもある「アダンの海辺」も

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「不喰芋と蘇鐵」など名作揃い

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そんな田中一村展は本当に良かったんだけど、過去最大規模の回顧展なのであらゆる作品を持ってきたもんだから点数がメチャ多く、作品と作品の間隔が結構近いので全員の動きも遅くなりそら混むわなと。


実は海外にいる知人がたまたま帰ってきており、館内で偶然ばったり出会うというまさかの展開があったのですが、その知人は人の多さと間隔の狭さに驚きつつ、日本の美術館あるあるに若干疲れていました。

アメリカの美術館なんて特に広いから、日本のギュウギュウに詰める感じは余計に疲れるんでしょうなあ

一村のような作品こそもう少し余裕を持ってゆっくり眺めていたいのですが視界の半分はおばちゃんw


まあとはいえそんなことどうでも良いくらい今回の一村展は心にグッときた回顧展でした。

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