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復活 音楽編

昨年から少しずつ文化活動も復活しつつありましたが、今年に入りようやっとそれを実感できた気がします

コンサート関係も量が増えつつある中、ついに声出しまでも解禁になりはじめ

かつての文化形態が少しずつ復活し始めたのをようやく体で感じ始められる時代が来ましたね


先日見てきたんですよ「モリコーネ 映画が恋した音楽家」


好きな映画ってありますよね

それを思い出す時ってやっぱり音楽が一緒に流れていませんかね

映画という「物語を説明する為の映像」に対する音楽がいかに重要であるかを認知させた神であり

映画音楽というジャンルを開拓してきたエンニオ・モリコーネのドキュメンタリーなんですけどね


至福の2時間半でした


というのもこの映画を撮っているのが「ニュー・シネマ・パラダイス」以降の旧友でもあり

弟子でもあるジュゼッペ・トルナトーレが生前のモリコーネにインタビューして撮り貯めてた映像でして

「あの作品はどうだった」「あの時はこう思ってた」などモリコーネ自身の思いが知れる作品なんですね

そこに各界の豪華著名人のインタビューを交えながらモリコーネの半生を回帰するという内容になっています


まあモリコーネに特化した作品なので万人にウケる映画でもなく、映画音楽に興味の無い人にとっては正直退屈なインタビュー映像だと思うのでスクリーン数も少ないのですが、モリコーネ好きには必見です

っていうかミュージシャンでモリコーネが好きじゃない人って存在するんだろうか

一定の年齢以上の者は問答無用で全員好きなんじゃないかと僕なんかは思ってしまいますね

映画評論家で有名な我が沼澤尚師匠は「あと20回見れる」と言っていましたw


この映画の何が素晴らしいって、各映画の音楽についてモリコーネ自身の語りから始まり

著名人のコメントがあり、その時の思いや苦悩などもろもろの解説があったのち

最後に「実際の映画のシーン」を用いて見れるので、その納得さたるや異常w

「それでこうなってるのか!」とか「そうやってたんだ!」とか新たな発見と感動が止まりません

モリコーネの人となりというか、人物像もすごく明確に見られて本当に素晴らしかったです


モリコーネワールドと言えば美しい旋律や楽器同士が会話しているような対位法もさることながら

口笛とか空き缶とか、なんなら鞭など変な音まで楽器として生かしてしまうユーモアなんですが

それもそのはず、モリコーネが生まれたのは1928年ですからアート好きならすぐわかるダダイズム以降

イタリアはまさに「未来派」の真っ只中なので、前衛芸術や現代音楽のド真ん中なんですな


ので例に漏れずモリコーネもクラシックはそっちのけで変な音楽ばかりに没頭するため

業界からも仲間内からもそっぽを向かれていたのですが、結果その独創性が生きた希有な例ですよね


とはいえ「心に残る旋律」って数字では表せないのでアカデミーのショーレースからも縁遠く

それこそ映画音楽なんて言ったら一般的にはジョン・ウィリアムズの方がよっぽど有名ですが

そのジョン・ウィリアムズ自身が「映画音楽の最高峰」というモリコーネはやっぱり神ですよね

副題の「映画が恋した音楽家」の通り、記録ではなく記憶に残る最高の最愛の音楽家だと思います


あ、そういえばつい先日ジョン・ウィリアムズのドキュメンタリー映画も発表されましたね

総指揮は当然相棒のスピルバーグですよ

80年代のハリウッド映画にキュンとした世代からすればこのコンビの作品をまた見られるなんて...ウルウル


モリコーネとトルナトーレ、ウィリアムズとスピルバーグ

最高の相棒に出会えた天才達の作品は本当に素晴らしいですよね

ていうかこの時代の作品は未だに泣けるというかやっぱり力ありますよね

上映期間も残り短いと思うので、モリコーネ好きはぜひぜひ見に行ってくださいまし


今回は文化復活シリーズの音楽編なのでもう1つ言うと


行ってきましたブラッドメルドー紀尾井ホール


最最最&高高高

今回は東京フィルハーモニーとの編成などもありましたが僕は2日目のソロに行ってきました

前回のトリオ以来だったのでオケとのクラシックも興味津々なんですが今回はソロ

ブラッドメルドーのカバーシリーズもやっぱり生で聞いておきたいですよね


しかも何がいいってチョイスがホント全てにおいてイケテるんですよねw

Baby's In BlackとかHey Joeとかも全てブラッドメルドーワールドになってて本当に驚きます


そういえば僕は結構前で聞いていたんですけど紀尾井ホールってあまり傾斜が無く結構フラットなので

もしかすると紀尾井ホールはサイドから見るのが勝ち組なのかもしれません


僕の席からはこんな感じ


アンサンブルを聴いているかのような演奏、独創的な解釈、空間をたっぷり使った音符とタイム感、静と動

絵や言葉まで浮かぶような、技術が云々を越えた先にある素晴らしい時間でした

コンサートという物から結構な時間遠ざかっていたのもあり、体が喜んでいるというか能が刺激されるというか、感動を体がゴクゴクと吸収しているのがリアルに体感できて、ようやく文化が動き出したと実感しました


次回は美術編なんですが、来週は若冲をチラ見したのちついにきましたエゴン・シーレ

シーレは30年振りなんですって。月末時間を探して早速行ってきます。

世紀末美術と言えば前回ブログでも書いた90年代の音楽のように各国で各ジャンルが生まれた激動世代でして

シーレは師匠でもあるクリムトが起こした「ウィーン分離派」の1人と言っていいと思うんですけど

内面のエグり方とか剥き出し方に特化した若干独特な画家でもありますよね

激動の時代を28歳という人生で終えたシーレという最高のクソ野郎に会ってきたいと思います


てかシーレが終わったら4月からそのままマティスですよ

待ってどうした23年、、怖いんですけど

しかも「マティス大回顧展」と謳っており、東美館オールマティスの150点だそうですよ

この力の入れようを見ても美術界からも復活の狼煙を感じますよね


ようやっと文化活動が復活していくのを肌で感じられて本当に嬉しいです♪

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