下村観山
- 1 日前
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久々の近美


今回は下村観山

帰省したり旅行したりと慌ただしく華やかなGWに下村観山を見に行くというw
5月の10日までなのでもう詳しくは触れませんが、観山のおさらいだけしておこうと思います
近代日本画が好きな者は全員知ってるんだけど、一般的にはほぼ誰も知らない代表の下村観山...
紛うことなき秀才で、超エリートでもある観山なんですが、岡倉天心の門下生で一緒にいたのが天才菱田春草と奇才横山大観という強烈な個性に翻弄されてしまい、後世の知名度はほぼありません
観山がどれくらいすごいのかをザックリ言うと、まず実家は紀伊徳川家に代々仕える能楽師の息子
9歳で狩野芳崖に弟子入り、その芳崖の紹介で13歳の時に橋本雅邦に師事という二大巨頭制覇
その年出展した作品をフェノロサに認められ、16歳で東京美術学校(現東京藝大)の第一期生として入学
なんなら21歳で卒業すると同時に即助教授ですよ
もうこの時点で地盤も看板も鞄も備えた超エリート街道まっしぐらです
問題はそこに横山大観と菱田春草がいたんですよねw
そもそも岡倉天心の一番弟子は観山であって、全く売れない大観や春草と違い、売れるのは観山ばかり
ぶっちゃけ大観や春草を食わしてたのは観山であって、下野した岡倉天心一派を支えたのも観山なんですが
「クライアントの要望に応え、世間が喜ぶ美しい絵を描ける」というのは言い方をひとつ変えると「職業作家」であって「アーティスト」とはまた違う才能ですよね
これって音楽に限らず、創作の世界で生きる者にとってはなかなか身につまされる話しでして、エリートの秀才ではやはり奇才や天才に勝てないのか問題ね。人気も実力もあり、数をこなせるのは観山のような秀才なんですけど、大観のように、メチャクチャでも何かを突破する力っていうんでしょうか、価値観を直接殴りに行くアーティスト型の人間とは水と油でして、結構晩年まで仲も悪かったんですよねw
まあとはいえね。売れっ子だけあって観山は実際めちゃくちゃ上手いです。
岡倉天心のもと、西洋画を取り入れた新しい日本画を模索してた時代なので、作品もすごく個性的ですし、今回の回顧展は学生時代の作品から絶筆まで、下村観山を余すこと無く見られる素晴らしい回顧展でした
観山と言えば「弱法師」

観山芸術の集大成であり、大正日本画の最高傑作と言われる「よろぼし」
能で有名な演目の一場面なんですが、能楽師の家系である観山ならではの素晴らしい作品です
盲目の物乞いが沈む夕日に向かって極楽浄土を想う1シーンなんですけど

俊徳丸の恍惚とした表情から1枚の梅の葉まで、観山らしい超細密で描かれおりまして
今回は観山の細密描写をじっくり堪能できるよう「単眼鏡」がレンタルされておりました
初めて使ってみた

扉絵にもなっている「木の間の秋」も本当に細密で美しい

観山の屏風絵はとにかく立体的

もちろん水墨の朦朧体も美しく

その多才さは素晴らしいです

岡倉天心もすごい似てるw

ちなみに観山は日本人画家で初めて留学した人でして、個人ではなく「国からの命」で渡英します
その後イタリアとフランスにも行くようにと命じられていたので、洋画の模写が結構面白くてですね
ラファエロとか普通にうまい

何が面白いってこの「魚藍観音」

これわかりますかね
モナリザを東洋の解釈で描いてるんですよw
こういうのは技術と見識とユーモアを持ち合わせた観山にしか描けない世界感ですよね
歴史を卓越した技術と現代の解釈で再構成するのって、以前ブラッドメルドーのソロを見に行った時に、ピアノソロでビートルズやジミヘンのカバーを聞いた時の感覚を思い出しました
絶筆がタケノコってのも観山ぽくて好き

下村観山素晴らしかったです

5月10日までに偶然九段下近辺で時間が空いたら暇つぶしにどうですかね
武道館でライブを見る際、すぐ隣なので1時間早めに出て弱法師だけ見るのもありw




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