雨がシトシト降る とある6月
アタクシついに行ってまいりましたの
東京都美術館!
ということは...
はいドーーン!!
バベルの塔展キターーー!!!
ヒャッハァアアアアアア!!!
ついに見ちゃいましたブリューゲルのバベルの塔!!!
最最最の高高高
僕実は初期のネーデルラント美術をこんなにまとめて見るのは初めてだったんですけど、この地方特有の超絶技巧&超細密絵画を心から堪能してきました
今回ってタイトル的にはブリューゲルのバベルの塔がメインなんですがテーマ自体は「ネーデルラント美術」なので、なんとブリューゲルの師匠ヒエロニムス・ボスの作品まで来てるというかそっちのがすごいというwその時代を代表する色んな作品も一気に見れまる最高のネーデルラント特集でした
ピーテル・ブリューゲル1世 1568年 油彩 板
ひょえぇええええ...圧巻ですわ
ブリューゲルのバベルは大バベルと小バベルの2点あるんですが今回来たのは小バベル
さてみなさん「バベルの塔」って言われたらどんなの浮かびます?
今浮かんだのって多分↑こういう感じじゃない?
実は「雲を突き抜ける巨大な塔」を決定的にイメージさせたのはこの作品だと思うんですよ
というのもそれ以前からバベルの塔自体はずっと描かれているんですが、塔のサイズも小っちゃい物ですし、絵自体も「絵本」のようなイラスト絵だったりと今の解釈とは全然違うんです
まあ当たり前ですよね。「建物の絵」なんて技術にせよ知識にせよ「その当時の常識」の範囲でしか描けませんもんね
旧約聖書上の表記もあくまで「我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの」
と民衆が言ってるだけで「どんな塔か」という描写は特に無いですよね
「はい、こんな感じでーす」
と具体的に初めてイメージ化させたのがブリューゲルでして、バベルの塔はモンペルの絵も有名ですがそれでもブリューゲルの50年後なんで最初にこれが出てきた衝撃って本当にすごかったんだと思う
オランダやベルギー(要はプロテスタント界隈)でバベルの塔は流行ってたので沢山書いてる人はいるんですが、まあいうてブリューゲルは頭3つくらい抜けてますね
結局それ以降の作品て構図を変えようがデザインを変えようが、大なり小なりこの作品の血を引いてるもんね
コロンブスの卵じゃないですけど「あ、そんな感じか」って一回なったらもう誰でも描けるもんね
バベルの塔ばっかりまとめてた人がいたので続けて見たらよくわかる
技術が云々とかじゃなしにブリューゲルのすごい所って当時のオランダで日常的に目にする施工内容であったり人々の在り方をすごく忠実に再現しながら描いている所だと思うんですよ
なので本来「戒め」であるはずのバベルの塔が、この作品を見る限り民衆の生活や活気すら感じる「生」への作品にすら見えますよね
レンガや漆喰を吊り上げる際に落ちた粉で赤くなったり白くなったりしてるのも恐らく当時の工事現場でよく見かけてたんでしょう、もちろん吊り上げる工具や施工内容も記録上にある当時のまんまです
場所によってレンガの色が違うのも、時代や産地によって送られてくる材料が違うから変わるんだそうな
この「ファンタジーじゃない部分」こそがこの絵の迫力というかエネルギーというか、この生々しさを生んでるんじゃないかと思いますよね
あ、そうそうネーデルラント美術の特徴は時代性もあって油彩画は基本「板」に描いてるのね
伝統の写実主義なので超細密な描写がベースなんだけど、画材が板なもんで乾かして何層にも描くから色の重なりも独特でさ
オランダやベルギーが独立してからはオランダ美術だフランドル美術だに分かれるんだけど、オランダが生んだ天才レンブラントも、みんな大好きフェルメールも共通する何かを既に感じますよね
結局その血は後期印象派のゴッホにまで受け継がれててあの強い色彩やコントラストにもなんか妙に納得いったんですよね
ネーデルラント美術の面白い所は1400年以降の人文主義に影響され、よくある宗教画じゃなくあくまで「日常」を描いてるとこだと思うんですが、ネーデルラント美術と言えばブリューゲルの師匠でもあり、変な怪物とかばっかり描いちゃう「ヨーロッパの水木しげる」ことヒエロニムス・ボス
今回の個展のキャラクターでもある「タラ夫」も元祖キモカワ系キャラとしてボスの作品に度々出てきます
タラ夫w
ちなみにボスもブリューゲルも時代的に版画絵が多く、今回も数的には版画絵の方が圧倒的に多かったです
でも世界に現存するボスの作品はもう25点しかなく、その中でも貴重な2点を見れただけでも良かったし、ボスフォロワーの人の数々の作品を見る中でいかに影響を与えたのかもすごくよくわかった
さて。これで終わると思うじゃん?
ノンノン
話しを戻して世界中に影響を与えたということは、当然日本にも影響を受けた人がいるわけですよね
はいドーーーン!!!
なんとこれは今回の来日を記念して大のブリューゲルファンである大友克洋氏が描いた「INSIDE BABEL」というバベルの塔のカットモデルでして、コラージュアーティストの河村康輔氏と一緒に作った作品です
この作品は受け付け横の企画展示室にて無料で見れます
これはこれで超面白いので行った人はぜひ見てくださいね
2時間ゆっくりバベルの塔見て、大友さんのバベルの塔も見て、でも写実的な物を2時間も見ると情報量が多すぎて結構疲れるから帰りは向かいのスタバで少し休憩して
それでも2000円です
2000円以上の想い出には絶対なるので興味のある人はぜひぜひ見に行ってくださいませ(๑′ᴗ‵๑)
あ、余談ですが細かい所まで見てほしいからと今回の図録にはなんとバベルの塔の実物大ポスター付!
バーン
iPhoneで撮っても十分やばい
もうどーなってんのw
こうなったらもう1点の大バベルも見たいんですが、日本にはまあ来ないっぽいですね
木の板に描いてあるので温度や湿気にすごく弱いんですって
なので大バベルを見にウィーンまで行くのもアリっちゃあアリかもね
楽しみが増えたぜ