レスキューの闇
- 5月29日
- 読了時間: 8分
更新日:5月31日

作業用に使っていたSSD(Kingston 2TB)が認識しなくなったんです
ある日突然というわけではなく、今考えるとその傾向はありました
というのも外のスタジオで作業した時に認識しないケースがたまにあったのです
ところがケーブルを変えると認識したりしていたので、すっかり「ケーブルのせい」にしてしまっており、買ってまだ2年くらいだったのもあってか、本体の様子がおかしいのだとは思ってなかったのです
そんなことが度々ある中、ある日とうとう認識しなくなりました
とはいえ、昔とは違って今時二度と復元できないデータって実はそう多くはなく、案外なんとかなったりするもんなんですよね
てかそもそもバックアップ系って大半は「万が一の為に一応置いている」というのがほとんどで、僕も昔から置いている膨大なバックアップデータを使った事なんてほぼありません
なのでHDDなどが飛んだ時に一番ガックリくるのって、実は「復旧の労力」に対してなんですよね
例えばですね、今回飛んだこのSSDの中にソフトシンセなどの音源データを入れていたんですよ
ハイスピードタイプのSSDだったので、この読み出しの早さを一度体感してしまうと、もう普通のSSDですら億劫になってしまうので、音源系を全部ここに移してしまっていたのです
でも音源データってほとんどは再ダウンロードできるので「復元できないのか」と言われたらいやできますよ、できるんですけどお、、1TB近いデータをまたイチから落とし直す労力って、心底吐きそうになりまして、正直もういいや、、、と思ってる音源も多々あり、もう必要に応じてその都度落としていこうと思ったまま未だに放置しているんですね
さて本題です。
そういった労力もありますし、結構大事なデータもあるにはあるので、物は試しに人生で初めて復旧サービス系の会社に問い合わせてみたんですよ。もはやお金を払ってでも、その労力が無くなるならそれもありかと。
でHPから住所氏名電話アドレスから症状云々を記入して送信したら「すぐ電話がかかってきた」んです。
あ、電話なんだと思いつつ、症状と状況の確認及び復旧に関する説明を受け、まずはSSDを送ることになりました。そして翌日改めて電話がかかってきたんですね。
「お客様の機材を検証いたしました所、重度の物理障害がございまして」と。
「どこまで修復できるかはやってみないとわかりません」と。
「でこのまま復旧作業を開始した場合の金額は32万8千円です」と。
内訳は作業費が20万と成功報酬が12万8千円。
成功報酬というのは変動制で、実際に全部救出できたら100%、半分しか回収できなかったら50%、結果回収できなかったら0%ということなのだそうな。
でも!なんと今なら!お安くなるオプションが御座います!と言うのですw
何かと言いますと「弊社が運営しますクラウドサーバーに加入していただくと、作業費と成功報酬込みで20万円になります!」とのことなんですねw
でもこのオプションには条件が御座いますと。
・容量は500GB
・使用はWinのみ
・1年しばりで以降は自動更新
・支払いはカードのみ
・金額は年間11万円
笑わせにきたのかな?と思ったんですけど結構マジでした...
ので結果から言いますともちろんお断りしました。
そもそも僕はmacなのでこのオプションは使えないんですねと言うと、「あ、macでもブートキャンプというアプリを使いますとWinも立ち上がるので」と、強引に食らいつこうとするんですけどいつの話しやねんとw
ブートなんてシリコンマック以降はもう使えないはず。パラレルでなんとか動く感じだったような。
てかそこまでして誰がWinのサーバーを使うねんとw
なのでお断りしますと言うと「ちょっとご予算が合いませんでしたかね」というので「そうですね」というと「ちなみにご予算はおいくらくらいでお考えですかね」とまだ来る。結局言い値か?
さてタイトルを回収しますとね
もうお気づきの方もいるかと思いますが、これって結構な闇だなと思ったんですよ
グレーっていうよりはもはやブラックに近いんじゃないのかなと...
こういったサービス自体をディスるつもりは無いですので、自分の備忘録として書き記すついでに、同じような状況になった人への情報と認識の共有ができたらいいなと思う程度の与太話であって、あくまで僕の邪推なので話半分に聞いてほしいのですが、、
そもそも作業費と成功報酬が逆じゃね?と思ったんですよ
だって実際復旧の作業って必要無いですよね。「できませんでした」でそのまま返せば20万ですから。
作業費を抑えて成功報酬でガッポリなんだったら100歩譲ってわからなくもないんですけど「作業しない方が得」というシステムってどうなのかと。
でシステムもそうなんですけど怪しさを感じたのは”妙な説明口調”なんですよ
やたらセールストークなのは別にいいんです。もちろんノルマもあるでしょうしね
でも話し方や出てくるワードや段取りなどが、やたらマニュアル化してると言いますか、テレビでよく見る詐欺商法の手口とすごい似てるんですよねw
まずすぐ「電話」がかかってくる段階で若干あれ?って思ったんです
内容を再確認する体でかけてはいますが、すごく値踏みされているというか、それ何の関係があんの?って質問も多々あり、相手の出方や認知力をすごい確認してるなあって個人的には感じました
で翌日荷物が届いたらまたすぐ電話がかかってくるんですけど、開口一番の言葉が「当社のエンジニアが取り急ぎ調べました所、お客様の機材は重度の物理障害がございまして」ときた点にも違和感がありました
「重度」ってなにw
重度か軽度かがわかるんなら、サルベージできるかどうかもわかるでしょうにw
100歩譲ってHDDのような物理駆動するパーツが多々あり、かつ精密な物であるならわからなくもないんですけど、フラッシュメモリの物理的に重度な障害って少し違和感があったので、しばらく黙って聞いていたんですが、違和感の正体はその”テンプレっぽさ”だとわかりました
すごい「言い慣れてる」んですよね。ああ、これ毎回言ってるんだなと。でもそのマニュアル自体がHDDを前提に書かれいるのに加えて、ブートキャンプ然り情報もあまり更新されていない様子でした
でも手口としては完璧です。最初に「お客様の症状は重度です」とすり込めば、普通は「ああ、もう無理なのか」という絶望スタートですが、そこで「でもなんとかできるかもしれません!」というと、何もしてない段階で既に救世主の誕生です
詐欺師御用達のコールドリーディングとかハロー効果とかダブルバインドとか、あらゆる心理的テクニックがこのマニュアルに盛り込まれており、よくできてるなあと若干感心しながら聞いてたんですよねw
修復できそうかどうかは当社のエンジニアがもう少し詳しく検証しますが、このまま進めますか?とまずは温度感を確認しまして、「お願いします」というと、「ではこの後エンジニアと打ち合わせして作業が可能かどうかはすぐ折り返します」と言うのです。「30分後くらいに電話します」と。
30分なんかいwじゃあ確認してから電話してこいやって笑いそうになったのを我慢して電話を切ると、しっかり30分待って電話がかかってきます。で「作業ができそうです!」とw
でも作業自体は4週間かかりますと。さあどうしますかって来たんですけど、これ以上このコントに付き合うのも飽きたので「お断りします」と言って着払いで送り返してもらいました
改めて言いますが、これは僕の勝手な解釈であって、あくまで邪推です
が、今まで知らなかった深淵を調子こいて覗いたら、結構な闇を見てしまったというのが正直な感想です
幸い僕は説明しているスタッフよりもデータに触れて生きてきたろうし、そもそも「手で復旧するのがダルいから」という不純な動機で問い合わせただけで、二度と元に戻せない物でも無いのでどっちでも良かったんですけど、これって「孫の写真が沢山入ってるお年寄り」だったら余裕で30万払いますよね
もちろんそれが悪いわけではありません
イジワルな書き方をしていますが、逆にいうと全部正当性はあります。データという物をド素人に対して説明する難しさは痛いほどわかりますし、メールではなく電話をかけて口頭で説明する重要さも実は承知しています。ビジネスですからセールストークになるのも、有象無象を相手にするためにマニュアル化するのも、実は全て理にかなっているのもわかっているのです
報酬に関しても歴とした技術職ですし、容量も1ギガ2ギガのUSBではなく、2TBのSSDですから別に高いわけではないことも実は承知しています
とはいえ、上で書いた通りこの仕事の成果や内容が「こちらには一切わからない」というのも事実
作業されたのかどうなのかも、重度なのかどうなのかも、金額の妥当性に至るまで、相手の言うことを信じるしかない、パワーバランスが100対0という極めて希有なビジネスですよね
世の中にはプライスレスな価値を無防備なデータで保存している人がゴマンといるはずです
そういった人らにしてみると「お金で解決できるなら」と思ってしまうのは当然ですし、現にそれを解決してあげているならば、それはWinWinとしか言い様がありませんから、この話に「悪」は存在していないはず!
なんですけど...若干モヤる
とにかくみなさんバックアップはしましょうねって話しでした!




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