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美術始め

  • 執筆者の写真: gen kushizaki
    gen kushizaki
  • 2019年1月3日
  • 読了時間: 6分

更新日:3月24日


昨年の秋頃から大型の展覧会が熱いにもかかわらず案外大人しい僕

いや、と言うのもですね、行った者の状況を聞くとフェルメールなんてとても行けませんよね

どんだけ並ぶねんと...なので実は僕昨年からずっと作戦を立ててたんですね

1月1日に行ったろwと。

東京の正月って人が一斉に帰省するのでガラガラでして、もうここしか無いなと思って1日のお昼にチケット取ってたんですよ。さすがに1月1日からフェルメール見てるキチガイなんていないじゃないですかw

やってきましたお正月!

同じこと考えてるやつ死ぬ程おってワロタw

言うてもワタクシ誕生日なので混雑の中見るのも嫌だったし、誕生日プレゼントじゃないですが、せめてゆっくり見ようと思って行ったのに鬼混みw

まあフェルメールは海外の美術館や今までの来日物も含めると実はもうほとんど見たので別にいいっちゃいいんですがなんかなぁ。年明け早々くじけそうでしたわ

しかーし!まだだ、まだ終わらんよ!

こうなったらもう許さん!

明日のムンクは朝イチで行ってやるぜ!ザマーミロ!!ウヒヒヒヒ...

翌日開場の9時半に到着!

クッソw

同じこと考えてるやつってやっぱいるんすねw

もおおおおお!!死ね!お前ら全員死ね!!

で混雑の中やっと入ったムンク展なんですがむちゃくちゃ良かったです...

いや、ムンク展ホントに良かった。僕もしかしたら絵を見て泣きそうになったの初めてかもしれない

精神も病んで死を身近に感じるムンクが愛を求めて憎悪を描くんだから、そりゃあなにをどうしたってそこには混沌が描かれるわけですよね

なので表層的には不安や怒りなどを感じる作品も多く、そう語られてきたし僕もそう解釈してた物も多かったんですが、果たしてそうなのかなって今回思いなおした物が結構ありました

確かに精神が病むまで壮絶な人生ですが、ただただ苦しんでいたわけじゃなく、作品によってムンク自身が救われてたんじゃないかとも思ったんですよね。例えば「吸血鬼」のシリーズをとってみても

元がコレなもんで

自分を破滅に導く女性の怖さを描いているんですが、そもそもこれの原題は「Love and Pain」であって

元々「吸血鬼」でもなんでもなく、あくまで当時の批評家がつけた呼称にすぎないんですが

愛には痛みが伴うことをムンク的に表現していたわけでして、この頃は実際こう思ってたんでしょうね

今回来てた吸血鬼シリーズはこっちでして

これは後年五十代に描いた吸血鬼シリーズなんですが、これ吸血鬼に見えますかね

もはやここに「恐怖」とかはなく「涙する男を優しく包み込んでくれる女性」という暖かさすら感じますよね

僕的には元の「Love and Pain」もかなりヤバくて好きなんですが

今回のも実際目の前で見ると本当に素晴らしいのでぜひ見てほしいです

もちろん我らがマドンナシリーズも

接吻シリーズも死ぬ程素晴らしいです

正直近年見た個展の中で僕的には一番刺さりました

今も昔も絵自体は変わらないので、変わったのは僕の方なんでしょうけど、受け取り方1つで見え方がこんなに変わるんだなって本当に思いました。もし興味のある人は今月の20日までなのでぜひ行ってみてください

もうなんでしたら「叫び」だけでも構いませんw

ネタとして見に行ってもいいのでぜひお勧めします

絶対に何か残ると思うので、自分の人生に1600円と2時間だけプレゼントしてください

あ、でもムンクのように内面を描く作品を見る場合、作家の成り立ちを全く知らずに行くと8割りくらい損をしますから、もし行くならザックリでもいいので簡単な情報を入れた方がいいです

できればガイドブックとかがいいですが

もうなんなら「Artpedia」とかでも構いませんので、10分ほどパパッと読んでからいくだけでも全然違うのでぜひ。

今年って本当は1日にフェルメール、2日にムンク、3日にルーベンスの予定だったんですが、壮絶でありながらも、晩年は穏やかさすら感じたムンクの人生に感動しすぎまして、もうこのままルーベンスも行っちゃおうというテンションになり

懲りずに行くw

というのも、ルーベンスはさすがに空いてると思ってたからなんですが、言うても正月の上野って何故かアホほど人多くてですね、まあ外国人旅行者が結構多かったんで流れで入る人もいたんでしょうな

途中でインド人に「UENO ZOOはドコダ」って聞かれたんですが

実は美術館だけじゃなくて上野ズーも朝イチからメチャ並んでましたわ

こういう状態

いうても人気あるんですね上野ズー

泣きっ面にビーみたいな感じですね

結局他の2つほどじゃないですが、ルーベンスもそこそこ人多かったです

ま、とにかく今回の教訓は正月に行くなってことですなw

さて、ルーベンスと言えば「フランダースの犬」でネロが最後に見たかったサンタマリア大聖堂の主祭壇にあるあの絵が一般的には有名なんだと思いますが、もちろんそれを持ってこれるわけはないじゃないですか

今回はその「聖母被昇天」などを4K映像で取り込んで、実物大の映像で見れるって企画も結構面白かったです

美術の世界もこういった最新テクノロジーを用いたり、どんどん新しい見せ方や演出になってくるんかもしれませんね

バロック美術の楽しみ方は、芸術の域にまで達した匠の技もそうなんですが、お城に飾る前提の物も多いので、なんせ全部デカイから迫力満点!要は中世のIMAXシアターみたいなもんですわ

古典芸術なので音楽でいうと「クラシック」なわけですから、ポピュラーミュージックが好きな人は正直つまらないかもしれません。特に神話を元に描かれても日本人じゃ意味わかんないですしね

ので僕は基本昔の美術や音楽を人にお勧めすることは無いんですが、でも芸術ホールなどで一度ガチのクラシックを聴くとですね、芸術性の高さというかその描写や迫力ってやっぱしハンパないんですね

マジモンに触れておくってのも案外意味あることもあるので、いつか超絶に暇で、たまたまポケットに1600円入ってたらいかがですかねw

あ、そうだ、ルーベンス展は西美なのでそのまま常設展も入れるんですね

ところが常設展てオマケなんかじゃ全然なく、むしろルーベンスより規模がデカくてですね

西美が所有する作品をルネサンス時代から近代アートまで時系列でドバーっと見れるんすよ

まあ若干印象派が多かった気もしますが主立った人物や時代をダイジェストで見るには丁度いいかも

モネも

ドニも

シニャックも

ミレイも

ルオー

ピカソ

ポロック

寿美奈子

ミロ

半券を見せたら無料で入れるのでお時間あればぜひ♪

まあなんやかんやありましたが新年の美術始めは無事終了したけど、大型展だけあって各図録のデカイことデカイこと

全部読むのに半年かかるかも

ちなみに2019年もだいぶヤバイですよ

2月からは国芳や若冲の奇想の系譜展、3月にはラファエル前派、4月からはついにクリムトです!

セザンヌやゴーギャンも色々見れるので西洋絵画も楽しみなんですけど、不思議の国のアリス展からムーミン展までもうマイワールド全開!今年は結構ポップな物も多いので、ご興味あればぜひぜひ

現場からは以上です!

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